ご挨拶

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 医療は私たちの命や健康を守り、日々の暮らしや経済活動など社会を根本から支える重要な基盤です。新型コロナウイルス感染症の脅威が続く中、最前線で活躍される医療従事者の皆様の強い責任感と献身的な御努力に深く感謝し、心から敬意を表します。
 さて、本県の人口当たり医師数は全国10位を誇る一方で、その約6割が熊本市に集中しており、「地域偏在」が大きな課題です。この背景には、地域での勤務環境やキャリア形成に対する不安、専門医志向の高まりなどがあると言われています。
 このため、平成25年に熊本大学と協力して設置した「熊本県地域医療支援機構」において、地域の医療機関への医師派遣や、地域に勤務しながらキャリアアップできるシステムづくりなどを行った結果、地域医療を担う医師の育成が確実に進んでいます。さらに、県では平成21年度以降、約90人の医学部生に修学資金を貸与し、令和元年度からは第1期生がへき地での勤務を始め、その後も着実に増加しています。
 今後も、地域医療支援機構を中心に、医療機関、医師会、市町村と連携し、地域の実情を踏まえた医師派遣、地域医療を担う医師のキャリア形成支援や勤務環境改善の取組みなどを通し、地域の医療提供体制を県全体で支える仕組みを強化して参ります。 全ての県民が医療を等しく享受できる環境を守り、「誰一人取り残さないくまもとづくり」に全力で取り組んで参りますので、皆様の御支援・御協力をお願いします。

熊本県知事
蒲島 郁夫

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 熊本県は全国的にみると人口10万人当たりの医師数が約280名と全国平均より多いものの、熊本市に413名、熊本市以外は190名弱となっており、熊本市に一極集中し県内の医師の偏在が顕著であります。 地域医療支援機構は、人口減少と高齢化が進展する中、県と一体となって、地域の住民一人一人が安心して生活できるように、限られた医療資源の中にあっても患者の状態に応じた質の高い医療を効率的に提供できる体制構築に努め、地域医療機関に必要な診療科とその医師数を確保し、医師の地域偏在を解消する取り組みを進めて参りました。
 地域の医師不足解消には、地域医療を担う優れた医療人の育成が必要不可欠であり、当機構としては、地域医療・総合診療実践学寄附講座と連携して、地域医療に従事する医師のキャリア形成支援や地域医療を志す学生への卒前教育の充実、それを支える地域医療実践教育拠点の整備などに取り組んでおります。また、地域の医療提供体制確保に向けた支援、女性医師の就業継続や復職支援など、熊本県医療勤務環境改善支援センターなどの関係機関と連携して、医師の地域偏在解消に向けて様々な事業に取り組んでいます。
 昨年来の新型コロナウイルス感染症の蔓延は、医療供給体制、入院受け入れ態勢に大きな影響を与え、医療供給体制の逼迫をもたらし、地域における医療機関の役割分担の重要性などの諸問題を改めて認識する機会となりました。今回の経験を踏まえて、今後、起こりうる様々な課題に機敏に対策を講じる体制整備をする必要があると考えています。特にこれまでにも増して、医師の地域偏在を解消する取り組みを加速させる必要があると受け止めております。地域医療支援機構としては、関係機関の皆様との連携を更に強化して本県地域医療の発展に寄与する所存です。今後とも本機構の事業に関する皆様方の更なる御協力とご理解を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

熊本県地域医療支援機構 理事長
馬場 秀夫

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