熊本県における医師の状況

 熊本県の「人口10万人当たりの医師数」は、297.0人であり、全国平均と比較すると、やや恵まれた環境にあります。しかし、熊本市と熊本市以外の地域を比較してみると、熊本市では428.2人であるのに対し、熊本市以外の地域では199.9人となっており、熊本市内に集中しています。
 本県においては、熊本市内への医師の集中、地域的な偏在が課題と言えます。

医療圏ごとの医師の状況

 医療圏ごとの「人口10万人当たりの医師数」をみると、全国平均(256.6人)を上回っている圏域は、熊本医療圏(428.2人)、八代医療圏(257.2人)、芦北医療圏(308.人)の3圏域のみとなっています。
 そのほかの圏域は、200.0人台:鹿本医療圏、球磨医療圏、天草医療圏、180.0人台:有明医療圏、宇城医療圏、170.0人台:菊池医療圏、140.0人台:阿蘇医療圏、130.0人台:上益城郡医療圏となっており、すべて全国平均を下回っています。
 なお、最も医師数の多い熊本医療圏と、最も医師数の少ない上益城郡医療圏(136.6人)の格差は約3倍となっています。

熊本県内の人口10万人当たり医師数(R2年度).png

医師の地域的な偏在の要因

 医師の地域的な偏在の主な要因としては、以下のようなことが考えられます。

  • 平成16年度から導入された新臨床研修制度の影響により、それまで大学が担ってきた地域への医師供給機のが低下
  • 「専門医資格取の取得が遅れる」「最新医療技術が習得できない」等の、地域で勤務することに対する医師の不安


 このような課題を解決するためには、地域の医療機関に従事していても計画的に資格取得ができるような医師のキャリア支援体制の整備や、都市部と地域の医療機関を循環して勤務できるようなシステム作りが必要です。

R2:二次医療圏.png

参照データ:厚生労働省「令和2年(2020年)医師・歯科医師・薬剤師統計」に基づき熊本県医療政策課作成

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