玉名教育拠点
活動概要
2019年初期臨床研修プログラム研修医(基幹型1年次:3名、2年次:3名、協力型は合計8名のは特別臨場実習(クリニカル・クラークシップ)の「総合診療科」の受け入れを行なっております。地域医療・総合診療実践学寄附講座スタッフは、医学生、初期研修医、専攻医とともに総合診療科として救急外来、一般外来、入院、在宅医療にとり組み、地域の医療を支援しつつ、実践的な教育を行なっています。
今後、地域医療に貢献するため、地域での総合診療科の認知度、研修の場としての教育拠点の認知度をさらに上げ、地域での卒前、卒後の医学教育を継続し、充実させていかねばならないと考えています。
右の活動実績のごとく、院内外のレクチャー、カンファレンスも整備が進んでおり、玉名ならではの「学ぶ機会」、特に地域医療職の皆さんに限らず、地域住民の皆様との交流を通した研修の機会もさらに増えています。より充実した教育環境づくりを進めて行きたいと思います。
初期研修・専攻医の活動は医療のネットワークと地域住民のネットワークをつなぐ役割を果たしつつあり、今後、地域づくり、地域医療研修に新しい方策をもたらすことが期待されます。
現在、指導医2名、後期研修の専攻医4名に加え、さらに地域医療・総合診療実践学寄附講座から人的サポートもあり、病院の診療支援および実践的な教育の提供という目標が実現されつつあります。
- これからの玉名地域医療を
みんなで考える会 - 玉名救急医療研究会
教育活動
特別臨床実習
熊本大学医学部の1ターム3週間の特別臨床実習(総合診療科 クリニカル・クラークシッ プ)を玉名教育拠点で受け入れています。
本年度も各学生に入院患者の担当を割り当て、それぞれが日常診療業務に医療スタッフの一員として診療に参加し、診療の中から自らのクリニカルクエスチョンを見出し、これに基づいた論文検索から担当患者への適応までを期間内で実践することとしています。
第3週に学習成果の発表を抄読会形式で実施しています。学生からは、3週間を通して患者の診療を経験すると同時に、論文検索を通して疾患についての学習を深めることができ、充実した実習であったとの評価を得ています。
この学習手法を実行する為には、指導医、専攻医、研修医、医学生の「屋根瓦式」の指導・教育体制が不可欠です。今後も、更に多くの医学生が参加できるよう、地域での医学教育の質の向上に努めたいと思います。
- 玉名教育拠点における週間スケジュール
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1-2週 月 火 水 木 金 7:30 プライマリ
ケアレクチャー8:00 救急合同
カンファモーニング
レクチャープレゼン
研修8:30 医局ミーティング/総合診療科入院患者棟回診 9:00 外来研修 外来研修 or
訪問看護外来研修 外来研修 or
訪問看護外来研修 13:30 外来
レビュー外来
レビュー訪問診療
(安成)
or
緩和ケア回診(不定期)
or
病棟研修外来レビュー/各種講義 外来
レビュー15:00 病棟研修 - リエゾンカンファ
- 病棟研修
病棟研修 病棟研修 16:30 新患カンファレンス 皮膚科合同
カンファ17:00 振り返り 週間
振り返り17:30 自己研修 -
3週 月 火 水 木 金 7:30 プライマリ
ケアレクチャー8:00 救急合同
カンファモーニング
レクチャープレゼン
研修8:30 医局ミーティング/総合診療科入院患者棟回診 9:00 外来研修 外来研修 or
訪問看護外来研修 外来研修 or
訪問看護外来研修 13:30 外来
レビュー外来
レビュー訪問診療
(安成)
or
緩和ケア回診(不定期)
or
病棟研修外来レビュー/各種講義 外来
レビュー15:00 病棟研修 - リエゾンカンファ
- 病棟研修
病棟研修 病棟研修 16:30 新患カンファレンス TMEC 皮膚科合同
カンファ17:00 振り返り 週間
振り返り17:30 自己研修
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- プライマリケアレクチャー
- 熊本県地域医療支援機構で受講可能なオンラインレクチャー
- モーニングレクチャー
- 臨床のみならず、地域医療に関するレクチャー
- リエゾンカンファ
- 総合診療科入院患者の退院に向けての目標設定、艦長調整を多職種で検討するカンファレンス
- TMEC
- クリニカルクラークシップ医学生による担当症例についての発表会
- 朝回診風景〜屋根瓦式指導体制
- リエゾンカンファレンス
- TMEC
初期臨床研修(総合診療科研修)
2019年4月時点で、公立玉名中央病院は、基幹型研修プログラムに3名の研修医がマッチし、基幹型2年次3名と熊本大学病院のプログラムの協力医療施設として6名、国立熊本医療センタープライマリケアコースの協力型として2名、計14名の初期臨床研修医(研修医)を受け入れました。玉名教育拠点は、総合診療科研修および地域医療研修を担当し、指導を行っております。
総合診療科研修で研修医は、外来・入院・訪問診療を研修し、自らが診療の始めから終わりまでを一貫して担当し、研修医中心の参加型研修を実践しております。研修医は患者を「主治医」として担当し、指導医との連携の中で中心的な役割を担います。この事で、研修医からは「自分の患者」という意識が芽生え、責任感と医師になったことの実感が得られたとの評価を得ています。
- 午後回診風景
医学生、初期研修医、専攻医
総合診療スタッフ - 新患カンファレンス
- 朝の研修医プレゼン研修
総合診療専門医(専攻医)研修
玉名教育拠点および公立玉名中央病院では熊本大学病院 総合診療専門医研修プログラムの「総合診療Ⅱ」、「内科研修」、「小児科研修」および「救急研修」を実施しており、2019年度は3名の2年次の専攻医が研修しました。彼らは自らの診療研修にとどまらず、初期研修医、医学生の教育の一端を担っています。
- (専攻医2年目 K先生)
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私は、2018年度に熊本大学病院 総合診療専門研修プログラム専攻医となり、プログラムの一環として 2018年度は公立玉名中央病院の総合診療科で勤務し、2019年度は他の科での研修を行いました。
総合診療科としては、診断が付いた後は各専門科に依頼することも多いため、どういった治療が専門領域でなされているかを知っておくことは、他科とのスムーズな連携をとる上で必要なことだと感じていたため、小児科、内科(循環器、消化器、代謝内科など)、外科(整形外科、皮膚科)と自分が深めたいと思った科を選び、一つの科に出来るだけ長い期間ローテート出来るように予定を組みました。
総合診療科での1年を経て改めて他科の診療に携わることは、研修医の時にローテートした時よりも経験や疑問が蓄積していたため、より有意義な勉強期間となりました。とりわけ、外科での研修は印象的でした。というのも、研修医までは内科を志望しており外科は最低限しかローテートせず、特に整形外科や皮膚科の外来、手術は学生以来全く見ていなかったためです。総合診療科に入ると、全ての科と関わりが出来ますが、とくに高齢化のより進んだ地方においては、高齢者の骨折をはじめとした整形外科疾患は絶対に避けて通れないものであるため、より知識を深める必要があると感じていました。今回、整形外科の視点から、診断から手術、術後のリハビリまで全てを見ることができ、治療技術の進歩、手術による回復の素晴らしさを実感するとともに、手術の難しい例や、合併症なども経験し非常に勉強になりました。
- (専攻医2年目 H先生)
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2019年1月は人吉医療センター、2月以降は公立玉名中央病院でお世話になりました。病院によって特色や地域性は違うのは当然ですが、救急外来にいるとそういった違いを肌で感じることができ、玉名の夜間はややコンビニ受診が多い印象でした。初めの7ヶ月間を総合診療科、その後に整形外科、皮膚科、循環器内科と研修させていただきました。玉名には総合診療科を回る研修医が多く、今振り返れば、彼ら彼女らに「教える」ということが今年一番の課題だったかと想います。4月には腰椎穿刺の手技経験が全く足りていないことをO山先生に表情だけでばれてしまい、緊張の中穿刺を行ったことは良い思い出です。そんな玉名中央病院では、後輩に教えられるように自らが勉強する大事さを学びました。
また、定期的に飯塚病院に赴き、Resident As Teachers (RATs) という勉強会に参加させていただいたことも大きな糧となりました。研修医へのフィードバックや効率的なレクチャーなど理論的に教育というものを学ぶ機会になりましたし、専攻医らの意識の高さも感じ取ることができました。
PC学会では「学生の地域臨床実習」をテーマにポスター発表しましたが、RATsも含めて、今後もそのようなテーマを自分なりに勉強していきたいなと想う今日この頃です。
- (専攻医2年目 K先生)
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本年度は、小児科3か月、循環器科3か月、総合内科6か月のメニューでローテートしました。初期研修医の際にも、小児科・循環器科はローテートしておりますが、その頃は基本的業務の習得に必死で、科ごとの専門的な部分で の技術や知識の習得はそれほどであったと思います。
専攻医(卒後4年目)で改めてローテートしてみると、少し各科の専門性に目を向ける余裕もでき、自分のめしのたねとして、いろいろなことを吸収できた気が致します。そういう意味で、総合診療医を目指す立場と致しましては、後期研修医として各科を再度ローテートすることに大きな意義を感じます。
年々みえる景色も変わってきて、少しずつ俯瞰的にものをみる時間も増えてきた気が致しますが、上級医の先生をみながら自分の医師像を模索し、研修医と接しながら自分の立ち位置を日々確認する毎日です。
講演会・レクチャー
玉名拠点では様々な職種が参加するバライティー富む勉強の機会が設けられています。
- 心不全緩和のエッセンス
- 玉名塾:Dr.Ramar レクチャー
- お・と・な の臨床倫理
- 2019年度 モーニングレクチャー実績
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日程 担当:講義内容 日程 担当:講義内容 4月2日 総合診療科:円滑なコミュニケーション 9月12日 腎臓内科:腎不全、急性腎障害 4月9日 総合診療科:コンビニ受診 9月17日 摂食嚥下障害認定看護師:摂食嚥下障害看護 4月16日 安成医院:在宅医療 9月19日 腎臓内科:輸液について 4月23日 安成医院:キク、コミュニケーション 9月24日 麻酔科:麻酔が原因の心停止 4月30日 診療情報管理室:診療記録 10月8日 皮膚科:火傷 5月7日 感染管理認定看護師:感染管理 10月15日 皮膚科:中毒疹 5月14日 診療情報管理室:DPC 10月29日 泌尿器科:導尿・尿道カテーテルの手技 5月21日 救急看護認定看護師:当院の救急医療 11月5日 泌尿器科:救急外来で泌尿器科疾患らしき人が来たら... 5月28日 医療安全室:医療安全管理 11月13日 消化器内科:H. pylori除菌治療 6月4日 MSW:医療費について 11月20日 消化器内科:急性胆管炎・急性胆嚢炎 6月11日 MSW:地域の連携先 11月26日 小児科:小児救急・CPAへの対応 6月18日 理学療法:リハビリテーションと理学療法 12月3日 小児科:熱性痙攣の対応 6月25日 理学療法:言語聴覚士の仕事 12月10日 整形外科:骨折一般 7月2日 呼吸器内科:肺がんの疫学 12月17日 整形外科:ギプスの巻き方 7月9日 呼吸器内科:人工呼吸の目標 12月24日 病理診断科:胃印環細胞様変化1 7月16日 糖尿内分泌科:生活習慣病の治療 1月7日 病理診断科:胃印環細胞様変化2 7月23日 糖尿内分泌科:ICUにおける血糖管理、内分泌疾患のエマージェンシー 1月14日 血液内科:貧血と血小板減少 7月30日 糖尿病認定看護師:糖尿病看護について 1月26日 放射線科:急性腹症の画像 8月6日 循環器内科:AMI治療、心電図1 2月4日 放射線科:胸部単純写真の読影 8月13日 循環器内科:AMI治療、心電図2 2月18日 緩和ケア認定看護師:緩和ケア看護の現状 8月21日 健診センター:健診センターの紹介 2月25日 がん化学療法看護認定看護師:がん化学療法看護の現状 8月27日 健診センター:行動変容を目指した保健指導 3月3日 薬剤部:薬剤部の業務紹介 9月4日 外科:胸部外傷 3月10日 薬剤部:薬剤師と医師との協働・連携 9月5日 腎臓内科:血液ガス・電解質異常 3月17日 認知症看護認定看護師:認知症看護の現状 9月11日 外科:腹部外傷 - モーニングレクチャーとは
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- 各診療科、部署のエキスパートから実践に即した知識や技術を学ぶ場です。
- 指導は医師に限らず、様々な職種のスタッフに協力していただき、幅広いテーマの研修が可能となっています。
診療
公立玉名中央病院にて、総合診療科での外来および病棟診療を行なってます。また、同院の他診療科からの相談や救急診療にも携わっております。
総合診療科での診療に当たり、玉名教育拠点にの指導医2名、スタッフ医師(家庭医療専門医)の他、研修医、地域医療・総合診療実践学寄附講座の教員も外来診療、救急医療に携わっております。
- 公立玉名中央病院 総合診療科
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月 火 水 木 金 中村 武末 武末 松井 中村 小山 小山 中村 (小山) 小山 田宮 田宮 田宮