平賀 円 先生(2015年度 熊本大学卒業)

  私は熊本大学医学部地域枠として入学した1人です。入学する年に設立されたばかりの制度であるため、わからないことだらけでした。低学年の頃は「地域医療」というイメージはなかなか掴めませんでしたが、毎年夏休みに自治医科大学の学生らと地域実習に足を運んだり、上級生になり色々な病院で臨床実習をしたりすると徐々にそのイメージが掴めてきました。実際には「どこからが地域」という線引きはなく、「そこ」にある医療資源で完結できるかどうかが重要なのだと思います。そこで適切なマネジメントをするのが地域医療をになう医師の役割だと考えます。

 私は2017年に熊本大学を卒業し、4月からは人吉医療センターという約250床の病院で2年間の初期臨床研修を行いました。熊本市内の病院ではなく人吉を選んだのは、将来地域医療に携わるという意識があったためです。人吉医療センターは熊本・宮崎・鹿児島の県境に位置し、高齢化率は34%(2015年)と高く、日本の最前線の高齢者医療にどっぷりと浸かった研修医時代でした。2次救急医療圏の病院であり、初当直の夜は救急車のサイレンが耳から離れなかったのもいい思い出です。また、同期の研修医も多く暮らしやすい土地なので、後輩の皆さんにもオススメの研修病院だと思います。

 研修修了後は総合診療科として新たなスタートを切りました。どの科に進もうか迷ったところもありましたが、私が憧れた「お医者さん」という姿に最も近いのが総合診療科であったというのが一番の理由です。後輩の皆さんも悩んだときには初心に返ることをおすすめします。

 医師としての人生も始まったばかりで、力不足を感じる部分もまだまだありますが、へこたれず楽しく貪欲に学んでいきたいです。

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