熊本大学医学部附属病院地域医療・総合診療実践学寄附講座

一人では何もできない

だが,まず誰かが始めなければならない

その一人になろう

指導医養成プログラム


このプログラムが目指すもの


世界標準レベルの質の高い指導医を養成する

【臨床】,【教育】は独立して行え,かつ指導できる
【管理・運営】,【研究】は独立して行える

このプログラムは,熊本大学が提供する独自の指導医養成プログラムになります.大学という教育・研究機関が提供するプログラムである特色を活かして,個別のニーズに合わせて総合診療・家庭医療の臨床経験だけでなくアカデミックなキャリアも積むことができることが特徴です.内容は専門医を取得してから最初の専門医更新までの5年間の教育に特化しており,主に卒後5年目から卒後12年目の若手医師を対象にしたプログラムです.更には,医学生から専攻医までの様々な世代への教育の経験ができ,連携機関も県内多数に存在するため,多彩な診療能力をニーズに応じて学ぶことができます.

また,指導医の資格を取得後の様々なキャリアに即し,特にSpecial Interestを深められるように自由選択性の研修を2年ほど取り入れています.Special Interestの領域については,各人の興味のある分野をさらに伸ばせるよう熊本県内の医療機関で研修が開始できるように熊本大学が全面的にバックアップしていきます.


一般目標


指導医として以下の項目を実践できる


  • 臨床能力

    • 理論の実践と深化
    • 包括的診療能力の向上
    • ニーズに応じた経験

  • 教育能力

    • 教育理論の実践
    • カリキュラムの作成

  • 管理・運営

    • 診療科の管理・運営
    • 専攻医研修プログラムの管理・運営

  • 研究

    • 研究プロトコルの立案
    • 研究論文執筆

各項目の行動目標

【臨床能力】

  • ニーズに応じた診療セッティングにおいて臨床を実践する
  • より高度な包括的診療能力を要した経験とその省察を報告・共有する
  • 臨床に関するビデオレビュー年1回実施
  • Special Interest (臨床系)を学び深める研修を行いグループ内で報告する

【教育能力】

  • 臨床現場におけるベッドサイドティーチングの実践
  • 各世代(特に専攻医)にむけて年1回以上の教育セッションの企画・実施
  • 教育に関するビデオレビュー年1回実施
  • 臨床研修指導医養成講習会受講
  • 総合診療指導医養成講習会受講

【管理・運営】

  • 所属する医療機関の診療科の運営・管理
    *年1つ以上Auditの実践・発表
  • 専攻医研修プログラムの運営・管理
  • 新規教育拠点など総合診療グループの戦略への関与

【研究】

  • 倫理講習会受講
  • 研究プロトコール作成
  • 地方学会,全国学会での発表・論文執筆

プログラムの内容


研修期間(5年間)

指導医養成基盤研修(3年ほど)
  • 総合診療研修施設(病院総合医・家庭医)での指導医研修
  • 1年程度の大学教員(医員待遇)研修
自由選択制研修(2年ほど)
  • 個別のニーズに合わせて選択式の研修
  • Special Interest研修
    例.各種専門研修,開業・開業準備,留学など
    各専門研修には,例えば,救急や緩和医療,在宅医療,などを準備しています

研修プログラム例(病院総合診療を専攻した場合)

第1季第2季第3季第4季
1年目 病院総合診療
専門医試験受験
2年目
3年目 Special Interest1
臨床研修指導医講習会
4年目 家庭医療*1 大学
(研究,教育業務も)
5年目 Special Interest2
総合診療指導医講習会

家庭医療を専攻した場合は,研修の場は逆になります.
*1:人により第1,2季と第3,4季は入れ替わります.

給与・待遇

各研修協力施設の定めるところによる
熊本大学における身分付与

定員

若干名

支援

教育サポート
  • 担当責任教員を配置し,指導体制を構築
研究・臨床上のサポート
  • 熊本大学による種々の学術支援
  • 大学附属図書館のオンラインサービスの利用
  • UpToDate
  • 今日の臨床サポート
  • Procedures Consult

復職サポート

熊本大学医学部附属病院
  • 週1日数時間外来診療(院内保育あり)
  • 大学教員による外来プリセプティング体制
    *熊本大学のパートタイム医員として雇用

応募条件

募集要項を御覧ください


研修の場(具体例)


公立玉名中央病院
(地域医療実践教育玉名拠点)

地域医療実践教育玉名拠点


  • 臨床能力

    • 病院総合診療
    • 救命救急

  • 教育能力

    • 後期研修教育
    • 初期研修教育
    • 医学生教育

  • 管理・運営

    • 総合診療部門

その他のプログラム実施の場所

  • いくつかの総合診療の教育拠点について検討中であり,指導医養成プログラムに参加される方は,それらの拠点整備の計画段階から参画することは可能です.
  • また,県内には箇所の総合診療専門研修を提供している医療機関についても調整することが可能です.
  • Special Interestに関する各種専門研修についても調整を行い実施できるように対応します.

(参考)熊本大学地域医療支援・ 総合診療後期研修プログラム 総合診療研修実施医療機関リスト

総合診療研修Ⅰ総合診療研修Ⅱ
  • 小国公立病院
  • 山都町包括医療センターそよう病院
  • 産山村診療所
  • 澤田内科医院
  • 安成医院
  • 天草市立御所浦診療所
  • 熊本大学医学部附属病院
  • 熊本赤十字病院
  • 人吉医療センター
  • 公立玉名中央病院
  • 上天草市立総合病院

あくまで参考です.上記医療機関のみではありません.


研修後のキャリア


研修後のキャリア

総合診療専門医としてのキャリア形成

指導医養成プログラムでは,世界水準の質の高い指導医を1つのゴールとして,総合診療の指導医習得および,家庭医・病院総合医としてのBrushUP,Special Interestの選択(専門医機構の今後の動向に合わせ検討)など,有意義な経験を積んでいただければと思っています.もちろん,指導医になることがゴールではなく,指導医習得後も更なるキャリア形成の機会を提供したく思っています.具体的には,指導医として地域医療従事,国内外の留学,大学院への進学,大学教員,開業(新規・継承)などがあると考えています.

また,このプログラムは,県の医師就学金貸与制度や自治医大の卒後研修など,9年間の義務年限がある方々にとっても義務の研修を実施しながら,キャリア形成が可能で,義務終了後の次のキャリアにも結びつけることができる研修であるのも特徴です.


募集要項


令和3年度 熊本大学総合診療指導医養成プログラム 募集概要

(Kumamoto University Faculty Development Program for Community, Family and General Medicine: KFD-CFG)

応募資格

  1. 専門医機構における総合診療研修の指導医条件に該当する,または令和3年度から該当となる予定の方
  2. 卒後5年目~卒後12年目の方

※参考:
専門医機構における総合診療指導医要件は以下の通りです

  1. 日本プライマリ・ケア連合学会認定のプライマリ・ケア認定医、及び家庭医療専門医
  2. 全自病協・国診協認定の地域包括医療・ケア認定医
  3. 日本病院総合診療医学会認定医
  4. 大学病院または初期臨床研修病院にて総合診療部門に所属し総合診療を行う医師(卒後の臨床経験7年以上)
  5. 4.の病院に協力して地域において総合診療を実践している医師(卒後の臨床経験7年以上)
  6. 都道府県医師会ないし郡市区医師会から≪総合診療専門医専門研修カリキュラムに示される「到達目標:総合診療専門医の6つのコアコンピテンシー」について地域で実践してきた医師≫として推薦された医師(卒後の臨床経験7年以上)

募集人員

若干名

研修期間

5年間

・指導医養成基盤研修:約3年間

  1. 病院総合医,または家庭医としての診療セッティングを選択する
  2. 臨床だけでなく,教育や管理・運営についても経験する
  3. 大学で教育・研究に関して実践する機会を設ける
    ※研修方法はブロックまたは週数日などフレキシブルに対応可能

・自由選択研修:約2年間(期間について相談可)

  • ※自らの学びたいジャンル(Special Interest)の研修

研修開始

令和3年4月1日

身分・処遇

各研修協力施設の定めるところによる
熊本大学における身分付与


応募手続

期間

随時募集

方法

下記代表メールアドレスまで連絡
担当教員が採用面接の日程について調整いたします

連絡先

chiiki_soushin(アットマーク)kumamoto-u.ac.jp

書類

履歴書(採用面接前までに郵送)

郵送先:〒860-8556
熊本県熊本市中央区本荘1-1-1
国立大学法人 熊本大学医学部附属病院 地域医療・総合診療実践学寄附講座
担当者 山並

選考方法

書類選考の上,面接試験を実施いたします(日時は個別に相談の上,決定いたします)


最後に


政令指定都市である熊本市は,医療機関が一極集中しており,高次医療機関と亜急性期〜慢性期の医療機関とで機能分化が全国でもかなり進んでいる地域です.一方,その他の市町村では,医療資源が不足しており,総合診療医の活躍と研修の場がそこにあります.

熊本県は,ご存知の通り「平成28年熊本地震」で,多数の観光地や多くの住民が被災しました.熊本県の復興はまだまだこれからですが,その様な被災した住民を支える活動に貢献しながら医師として研鑽を積むことも可能です.

あなたも熊本県で総合診療医として,我々と地域住民と一緒に歩んでいきませんか?


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